いさか新聞 48号 (2007/08) もっと役に立つ市議会へ
2010年05月30日
いさか新聞 48号 (2007/08)
「もっと役に立つ市議会へ」7月末に3人目(女児)が生まれました
●議員の経費は1円から領収書公開●
市会議員の政務調査費(必要経費)の領収書が公開されず、使い道が明らかにされていない問題を、今春の市会議員選挙の際に駅前演説や政策チラシで何度も取り上げておりましたが、6月26日の本会議に自民・民主・公明・市民力(私たち無党派議員グループ)の4会派で条例改正案を提出し、全会一致でめでたく可決されました。
議員が税金から必要経費としていただいている政務調査費を使う場合は、全て領収書を添付して、領収書の取りにくい近距離切符などの場合も、日付と乗車区間など詳細を報告することになります。国会やほとんどの都道府県・政令市の議会が「5万円以上の支出のみ領収書」という骨抜きルールの中、一歩踏み込んだ決断をした、神戸市議会の自民・民主・公明の与党3党に敬意を表します。
今回は与党と一緒に条例案を提出するという良い経験をしました。これからも「脱・与野党宣言!」を合言葉に、「良い政策は賛成・悪い政策は反対」という立場でテーマごとに柔軟に各党と連携しながら、ひとつでも多くの政策を実現してゆきたいと思います。
●議会全体としての成果は?●
この夏は議会改革をテーマに講師を招いて勉強したり、議会改革のパネルディスカッションに出演したり、「地方議会は今後どのような方向を目指すべきか?」ということを追究していました。神戸市議会では市長が出した提案が、与党(自公民)の賛成多数で修正もなく100%可決されていますが、これでは地方議会が二元代表制の片一方を担っているとは言えない状況です。そもそも地方議会は国会のような議院内閣制ではないので、与党・野党の区別があること自体が不自然です。
市長を頂点とする巨大な市役所組織に対して、議会全体が多様な意見をまとめながら、市役所とのアイディア競争や、市民意見の吸い上げ競争で政策を磨いてゆく。現状の選挙は議員ひとりひとりを評価する形ですから、党利党略や個人プレーが優先されがちですが、条例提案・可決数や市長原案の修正数など、議会組織全体としての成果を評価するモノサシが必要です。
●創造都市 ~新しい産業政策~●
「工業化社会から知識社会へ」と経済の中心が大きく移りつつある現在、工場や土地やお金や労働力ではなく、人間の脳みその中にある創造的な知恵こそが重要な資源となります。埋め立て地に工場を誘致するのではなく、創造的な人材を誘致する産業政策に切り替えるべきなのです。イギリスをはじめ各国は、広告・建築・美術・デザイン・ファッション・映画・音楽・出版・コンピュータソフトなどの産業を創造産業と位置づけ、基盤整備から人材の誘致・育成に取り組んでいます。
創造産業を担う創造的人材を誘致するにあたって、彼らはどのような都市環境を好むのでしょうか?この点については専門家の研究でいくつか明らかになっています。まず、創造的人材は、多様性があり寛容で新しいアイディアに対してオープンな風土を好みます。生活の質を重んじ、カフェやバーなど深夜まで自由で活発な情報交換が出来る場所を求めています。役所主導の画一的な都市開発ではなく、歴史と自然の調和した少し猥雑な都市景観を好みます。世界一流の研究者が集まる大学があれば、賢い人たちとの交流を求めて集まって来ます。そして、自分たちの創造性を生み出す脳みそに常に刺激を与え続けるために、自分たちより更に創造的な、既存の枠を超えた発想のできるアーティストとの交流を求めるのです。
これらの条件を満たす新しい都市ビジョンは「創造都市(クリエイティブシティー)」と呼ばれ、日本では横浜・金沢・大阪などが創造都市に向けて着々と政策を進めています。文化的な雰囲気がありアーティストがのびのびと活躍する創造都市には、知的で付加価値の高い創造産業の担い手である創造的人材が集まって来ます。創造的人材が新しい文化やビジネスを生み、さらに外部から人や情報が集まってくる好循環になります。「文化はお金に余裕がある時の暇つぶし」ではなく、文化芸術こそが創造的人材を集め、知識経済における富の源である創造性を刺激し、都市の発展を加速するという時代なのです。
●ビエンナーレが目指すもの●
10月6日~11月25日、神戸市では総合芸術祭「ビエンナーレ」が開催される予定です。色々と批判や疑問の多いイベントですが、少しでも意義あるものにしたいと思い、本会議で議論しました。
単なる観光集客イベントに終わらせないためには、広報宣伝をきちんとする必要があります。ビエンナーレに来てくれるお客さんだけではなく、幅広く日本中の創造的人材や世界の芸術関係者に、「神戸はビエンナーレを開催して創造都市に向けた第一歩を踏み出した」という事実や、「神戸は創造的人材を誘致して、彼らが働き易い環境を整えていく」というメッセージを伝えるべきです。
ビエンナーレに来たアーティストや創造的人材が、神戸に定住する仕組みも考えなければなりません。横浜市は取り壊し前の古い施設をアーティストに作品制作拠点として提供した結果、施設の取り壊し後もそのうち7割のアーティストが横浜市に定住したそうです。今後はアーティスト向けの不動産事業も考えていると、横浜市の担当者は構想を語っておられました。
「ビエンナーレ」はイタリア語で「2年に一度」という意味の、現代アートのオリンピックです。2年ごとに継続して行う中で、しっかりと成果が出るような仕組みを今から整えておきたいと思います。





