いさか新聞 41号 (2006/10) 村岡圧力は正しい政策提言だった!?

2010年05月24日

いさか新聞 41号 (2006/10)

村岡圧力は正しい政策提言だった!?

神戸市のとんでもない結論
コンプライアンス条例に残された問題点
全国若手議員の会・副会長になりました
北海道栗山町の議会改革
お医者さんがいなくなる・・・

「村岡圧力は正しい政策提言だった!?」広く全国を駆け回った秋でした

●神戸市のとんでもない結論●

9月議会の初日、事件の再発防止策としてコンプライアンス条例(口利き記録条例)が提案されました。そこで私は本会議場で下記のストレートな質問を市長にぶつけました。「この条例が汚職事件より前に出来ていたなら、事件はこの条例で防げる仕組みになっているか?」「村岡被告の口利きは、この条例では“不当要求”にあたるのか、それとも政策提言にあたるのか?」

コンプライアンス条例は、議員の不当な要求を職員が記録することで口利きを行いにくくすると同時に、万が一事件が起こったときの事後検証や情報公開の対象にしようとする仕組みです。当然、「今回の村岡圧力は不当要求だった」ということでなければ、再発防止策にはなり得ません。

ところが市長は村岡圧力が不当要求だったとも政策提言だったとも答えずに逃げるばかり。その後の委員会では「政策提言だったと思うが、不当要求だった可能性もある」という答弁が飛び出し、最終的には「“産廃要綱を改正せよ”という村岡発言は正しい政策提言だった」との結論になりました。

村岡発言を不当要求だと認めたら、市が産廃要綱を改正したことも不当な政策変更だったと非難されます。それを避けるために、このようなムチャクチャな結論にたどり着いたのだと思いますが、市長は事件の何を反省し、何を再発防止しようとしているのか、まともに答えられるのでしょうか?

●コンプライアンス条例に残された問題点●

9月11日の本会議にて、口利き防止のための「コンプライアンス条例」が全会一致で可決されました。私も4年前の選挙の時から「議員の口利きを全て記録・公開する仕組みが必要」と主張していましたので、当然この条例には賛成票を投じさせていただきました。口利き防止の仕組みを条例で定めたのは全国でも珍しく、表面上は非常に画期的なことと言えます。

しかし、この条例では議員の口利きを職員が要点のみ筆記し、「内容を確認したい」という議員の要求や「記録内容が言った中身と違う」という議員からの訂正要求に応じることとされています。これでは口利き現場で職員がなかなか正直に記録しづらいだろうということが心配されます。議員の発言のうち何を要点として記録するか?という判断には記録する職員の主観が関係してきます。ICレコーダーによる全文記録、いざ事件となれば全文公開という仕組みをつくることが今後の課題です。

また、この条例では市長・助役の口利きや指示が記録・公開の対象となっていません。今回の汚職事件はたまたま自民党ボス議員の口利きが発覚しましたが、他都市の事件を見れば、市長や市の幹部が口利き汚職や談合に関与する例が後を絶たないのも事実です。今後は議員側が、市長や市幹部の口利きなど不当な行為を予防する条例をつくる必要があります。そこまでして初めて、市長と議会が互いにチェックし合う緊張関係が作れるのだと考えています。

●全国若手議員の会・副会長になりました●

20代・30代の議員300名からなる全国若手市議会議員の会のNo.2に選ばれました。12年の歴史を持つ、全国でも最大級の地方議員ネットワーク組織です。各自治体の政策データベースや、一斉条例提案キャンペーン、共通マニフェストなど、智恵を絞って新しい事業を起こし、「地方から日本を変える」を実現したいと思います。

●北海道栗山町の議会改革●

10月16日から18日まで、北海道栗山町まで自費視察に行きました。全国初の議会基本条例を定め、議会改革の最先端と言われる栗山町。議長・市長・議会運営委員長・議会事務局長・商工会長・NPO代表と各界のリーダー全てにお会いして、有意義なお話を伺いました。

議員が一方的に市長に質問を浴びせるだけの神戸市議会と違って、栗山町では市長から議員への逆質問も認められており、最後は議員同士で話し合って最良の結論を出す仕組みになっています。考えてみれば当たり前のことが、神戸市議会では実現されていません。

議会前には議員自らが町内に予定質問者を書いたポスターを貼って回り、会議の様子はケーブルテレビとインターネットで中継されます。町民への議会報告会や、各種団体との意見交換会議なども議会が主催。

これらの改革には議長のビジョンやリーダーシップが不可欠だと言われましたが、神戸市議会の議長は1年ごとに自ら辞職して次の議員にポストを譲る名誉職的な扱い。1日1万円の出席手当てや、領収書不要の政務調査費など、神戸市議会には改革以前の問題ばかりです。

●お医者さんがいなくなる・・・●

この1ヶ月で3人の総合病院関係者に話を聞く機会を持ちました。公費視察で訪れた千葉県の総合病院院長、全国若手議員の会の勉強会で訪れた大阪府の病院事務局長、そして、日本の医療界に見切りをつけてカナダに転勤する友人の医師。皆が口を揃えて訴えていたのが、「このままでは医師不足でまともな治療ができなくなる」ということです。

すでに地方の産婦人科・小児科などでは医師不足による診療科の閉鎖が起こり始めていますが、本当に深刻なのは将来の内科医不足で、これは今から医師を養成しても間に合いません。医師が逃げ出さない環境をきちんとつくれなかった病院は、合併や閉鎖に追い込まれる可能性があります。

医師にとって魅力ある病院とは、給料が高い、夜勤などの時間的拘束が厳しくないという条件の他に、ハイレベルな研究ができる、技術を磨くことができるなど「成長の場」を与えてくれる病院です。患者の需要がサービス供給を上回る業界ですから、医師を増やせばその分だけ多くの患者を診られます。運営管理部門をリストラしてでも医師にお金をかけたほうが、病院経営も黒字になるのです。



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