いさか新聞 39号 (2006/06) 税金は値上げ、市有地は安売り

2010年05月24日

いさか新聞 39号 (2006/06)

税金は値上げ、市有地は安売り

入札せずに市有地を安売り
政治責任を認めない市長
相変わらず連携する自民・公明・民主
増税に連動する、市の福祉料金

「税金は値上げ、市有地は安売り」汚職に増税、お叱りばかり頂きます

●入札せずに市有地を安売り●

神戸市は市税収入の低迷と借金返済に苦しんでおり、市有地の売却で赤字をしのいでいます。その際にここ数年は、「コンペ方式」と呼ばれる新しいやり方をとってきたのが神戸市の特徴です。

「コンペ方式」とは、まず神戸市が選考委員会を立ち上げ、その委員を神戸市がひとりひとり選びます。土地を購入したいコンペ参加企業は、購入予定価格だけではなく、その土地に何を建てるか、具体的なプランも選考委員会に提出します。

選考基準は、価格点50点・内容点50点の100点満点で、購入価格が高くても内容が悪ければ購入できない仕組みです。選考委員会は総合得点の最も高い企業を市長に報告し、市長はその企業と「随意契約(1対1の契約)」を交わし市有地を売却することになります。

このように書くと、非常に公正な売却方法に思える「コンペ方式」ですが、委員会で議論する中で、非常に多くの問題が潜んでいることが分かってきました。

まず、高額の市有地を競争入札もせずに「随意契約」で売却してもよいのか?という問題です。よほどの事情がない限り、市有地は競争入札で高値をつけた相手に売るよう法律で定められています。選考委員会は法律と関係なく神戸市が競争を装って独自で開催しているだけで、出来レースでもコンペでも、役所が勝手に売り先を決めて随意契約していることに変わりはありません。

次に、この「コンペ方式」は不正を疑われるような不透明な部分が多すぎるという問題です。選考委員には複数の市職員が入り、選考委員長はいつも同じ大学教授が務めています。しかも各企業の提案内容と価格が、選考委員会より前に全委員に配布されているのです。実際に不正があった証拠はまだ見つかりませんが、不正をしようと思えば確実にできる仕組みです。

さらに、仕組みの問題だけでなく事実として、神戸市が行った3件の「コンペ方式」では、最も高い値段をつけた企業が内容点で逆転負けをして、安い値段をつけた企業が売却先に選ばれています。布引車庫跡地は、31億円の買値を提示した企業がいたのに、20億円で売ってしまいました。この土地はもともと神戸市が売却の3年前に66億円で市バス事業から買い上げたものです。御影工業高校跡地では、116億円の買値を提示した企業がいたのに、84億円の買値で価格点が最下位だった企業が、内容点で大逆転して32億円も安く土地を買いました。両者のプランに32億円もの内容的な差があったのかどうか、神戸市は説明できていません。

●政治責任を認めない市長●

5月30日、村岡功議員の追起訴と村岡龍男議員の逮捕を受けて、二度目の臨時本会議を開催。村岡龍男議員への辞職勧告を全会一致で決議した後、市長の政治責任を問う質問が続きました。市長は「自分が事情聴取を受け、市長室も捜索を受けるなど、ご心配をお掛けした道義的責任をとる」と謝罪しながらも、政治的責任については何度質問しても答えをはぐらかしました。また、「産廃要綱による過剰な行政指導は、行政手続条例違反ではないのか?」という質問に対しては「住民の環境を守るために必要なことであり、日本中の役所で行われている問題」と開き直ったのです。

「大騒ぎになったこと」は謝るけれど、「政策の間違い・政治家としての過ち」は一切認めない市長。6月議会には市長自らの給料を3ヶ月間30%カットする条例を提案して来ましたが、その審議の中で「今回の給料カットは充分に重い処分だ」と自画自賛し、多くの議員を呆れさせました。

私は6月から、事件追及のための強制調査権を持つ100条委員会の理事になりました。口利き防止条例と自身の給料カットで事件を幕引きしようとする市長を、その場に呼びたいと思います。

●相変わらず連携する自民・公明・民主●

6月議会の初日、毎年恒例の市会議長選挙がありました。議長は任期1年ではありませんが、1年経てば自分から辞任届けを出して次の人に譲るのが暗黙のルール。そして自民・民主・公明の与党3党で議長ポストを回すのも、これまたおかしなルールです。

“順番”から考えれば今年は自民党から議長が選ばれるという噂でしたが、さすがに不祥事のさなか、自民党は自粛したようで、民主党から議長が選ばれました。自民・民主・公明の与党3党の投票はすべて民主党議長に集中し、今年も3党のチームワークは健在。この巨大与党をどうにかしない限り、今の市政の構図は変わらないと思っています。

●増税に連動する、市の福祉料金●

昨年から老年者控除や年金控除上乗せなど、高齢者向けの税金優遇策が廃止された結果、これまで数千円だった住民税が、この6月から10倍近く跳ね上がった、年金暮らしのお年寄りもいます。また、定率減税が今回廃止され、配偶者控除・扶養控除も国会で廃止が議論されていますが、これにより現役世代の増税は年収の5%(例えば年収600万円なら30万円の増税)になる見込みです。

国の増税について、市議会で議論をしても直接変えられることは少ないのですが、問題なのは、市の福祉料金の多くが「実際に払っている税金の額」によって決められていることです。国が増税すると、それに連動して市の保育料や健康保険料、市営住宅の家賃なども上がるのです。

収入が1円も増えていないのに国に増税されたあげく、市の各種料金まで便乗値上げされては困ります。市は今回の増税に連動して保育料や市営住宅家賃などの福祉料金収入が増えるわけですから、収入アップ分はきちんと値下げして、利用者の負担を増やさないように工夫したいと思います。



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