いさか新聞 37号 (2006/04) 本当に悪いのは、誰だ?

2010年05月24日

いさか新聞 37号 (2006/04)

本当に悪いのは、誰だ?

事件の経過とポイント
市役所は被害者ではなく“実行者”
議会にも責任がある

「本当に悪いのは、誰だ?」市政浄化、最大のチャンスです

●事件の経過とポイント●

4月5日に自民党のボス・村岡功市議が贈収賄容疑で逮捕されました。

  • 2001年5月
    • 大阪の業者が六甲アイランドに産業廃棄物処理施設の建設を計画
  • 2002年初め
    • 神戸の産廃業者が村岡市議に、大阪の業者に設置許可を出さないよう依頼
  • 2002年5月
    • 神戸市が環境保全審議会に「廃棄物施設の許可ルール」について議論を依頼
  • 2002年9月
    • 環境保全審議会が「4車線道路を挟んだ隣接者の同意は不要」とした答申案に対し、一部の議員が「産廃施設要綱をもっと厳しくし、ルールを明確にせよ」としつこく発言
  • 2002年11月
  • 2002年12月
    • 神戸市が産廃施設要綱を「28メートル未満の道路を挟んだ隣接者の同意が必要」と変更
    • 大阪の業者の進出予定地と25メートル道路を挟んだ隣接者が同意せず、計画は白紙に
  • 2003年5月
    • 村岡市議が神戸の産廃業者から現金300万円を受け取る

●市役所は被害者ではなく“実行者”●

今回の容疑は、産業廃棄物処理施設の許可をめぐる斡旋贈収賄(あっせんぞうしゅうわい)です。贈収賄事件は、「賄賂を渡す業者」「賄賂を受け取り、市役所に圧力をかける議員」だけでなく、「議員の圧力に負け、業者に便宜をはかるために不正行為をする市役所」がいて初めて成立します。市役所は「圧力を受けた被害者」ではなく、「不正行為に手を染めた実行者」なのです。公務員の身分が手厚く保障されている理由の一つは、政治的な圧力から公務の公平中立性を守るためで、圧力をはねつけても政治的な理由で解雇されることのないように、という主旨です。それなのに、今回の担当職員が業者に便宜を図ってしまったとしたら、背景には何があるのでしょうか?圧力には組織全体で対応することが基本ですが、担当職員が孤立していなかったでしょうか?それとも圧力に屈することが珍しくない組織風土が定着していたのでしょうか?議員に同調して、担当職員の上司までもが圧力をかけるような雰囲気は無かったでしょうか?何よりも、市長は「不当な圧力に断固として立ち向かう」という姿勢を示していたのでしょうか?環境保全審議会の議事録や、産廃施設の許可ルールの原案と最終案の微妙な違いを詳しく見比べると、担当職員はむしろ必死で圧力に対して抵抗していたのではないか、と思える部分があります。それにもかかわらず、産廃要綱は村岡市議の狙いどおりに変更されてしまいました。

「村岡市議には逆らうな。そうすれば自民・公明・民主の与党はいつでも役所の原案に賛成してくれる。」そのような有形無形の圧力が、市長・助役・局長から担当者にかけられていなかったか?今回の事件で追求すべきポイントは、ここだと考えています。

●議会にも責任がある●

今回の事件を見抜き、一部市議の暴走を止めることができなかった議会は、与野党とも反省すべきです。いまだに1日1万円前後の交通費(費用弁償)や、領収書を公開しない政務調査費など、特権的ともいえる「議員厚遇」を温存したまま、肝心のチェック機能が発揮できないようでは、一体何のために高い給料で市民に雇われているのか、根本的な部分を問われても仕方ありません。さらに議会内から逮捕者が出るようなら、解散・出直し選挙で議員を総取り替えしなければなりません。私も含めて全ての議員に責任の一端があり、有権者の厳しい審判を受ける必要があります。また、逮捕された市議の辞職だけで事件を幕引きさせるのではなく、議会全体で対応することが大切です。早急に福祉環境委員会や議会運営委員会、そして役所に対する強制調査権を持つ「100条委員会」など、議会として出来ることは全て取り組んで、役所の体質を明らかにしてゆきます。

今回のように「審議会の意見により要綱を変更する」という、チェックの難しいルール変更を防ぐには、市役所が事務局として意見案をコントロールできてしまう審議会の運営を改め、ルールの詳細は、議会を通さない要綱ではなく、条例に明記する本来の形に戻す必要があります。担当職員を市役所組織全体で圧力から守ってゆく仕組みも考えてゆかなければなりません。



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