いさか新聞 36号 (2006/03) 民営化で進むコスト削減

2010年05月24日

いさか新聞 36号 (2006/03)

民営化で進むコスト削減

いまだに直営、神戸市のゴミ収集
民営化に反対しているのは誰?
市内業者だけの入札で良いのか?
保育所民営化は仕切り直しが必要
予算質問15連発

「民営化で進むコスト削減」タブーを恐れず行動します

●いまだに直営、神戸市のゴミ収集●

神戸市の家庭ゴミ収集は、正規の市職員が行う「直営」方式です。100万人都市で、ゴミ収集をいまだに直営で行っている都市は、数えるほどしか残っていません。

都市形態
札幌市民間委託50%
仙台市平成11年から民間委託を始め、民間委託100%、資源ゴミは公社が収集
さいたま市可燃ゴミは民間委託50%、不燃ゴミと資源ゴミは100%、ペットボトル・プラスチックは60%
千葉市今年度から可燃ゴミ・不燃ゴミ・資源ゴミは民間委託100%、粗大ゴミのみ直営
川崎市直営(粗大ゴミから民間委託を検討予定)
横浜市家庭ゴミは18区のうち2区から民間委託を開始、粗大ゴミは民間委託100%
名古屋市家庭ゴミと粗大ゴミは直営、資源ゴミは公社が収集、市民の直接持ち込みも多い
京都市家庭ゴミは一部民間委託、粗大ゴミは民間委託100%
大阪市直営(粗大ゴミから民間委託を検討予定)
広島市可燃ゴミとペットボトル・プラスチックは民間委託と公社収集、その他は民間委託100%
北九州市民間委託30%、外郭団体による収集30%、直営40%
福岡市民間委託100%

他都市が民営化を進める最大の理由は、直営と民間のコスト差です。地方自治経営学会が平成12年に行った大規模な調査結果によると、ゴミ収集業務を民営化することにより、およそ50%の税金が節約できるそうです。神戸市の事務事業評価シートによれば、ゴミ収集業務には年間162億円かかっていますから、これを民間委託すれば毎年80億円の税金が節約できるはずです。ゴミ収集の民営化を検討すらしようとしないのは、神戸市役所の怠慢ではないでしょうか?

●民営化に反対しているのは誰?●

市バスは「半民営化」され、今後は毎年24億円の税金が節約されることになりました。公立保育所も5年で20ヶ所が民営化され、毎年10億円が節約される計算になります。1年後には水道メーターの検針業務でも競争入札が行われ、委託料が3割ほど安くなるはずです。役所(または外郭団体)と民間企業の人件費の差が、これらのコスト差の原因です。

民営化でコストを削減し過ぎると、安全性がおろそかになったり、職員のヤル気がなくなるなど、市民・納税者にとって悪い影響が出てくるのではないか?と心配する意見もあります。しかし、高い人件費を払っている納税者側が「直営のまま残しておいてくれ」と言うならともかく、高い人件費をもらっている側が「高くても直営のほうが良い」と開き直るのは、おかしなことです。

●市内業者だけの入札で良いのか?●

古い下水管を補修する工事方式の中に、「ライニング」というものがあります。下水管を取り替えるのではなく、古い管の内側をビニール樹脂で固めて補修する特殊な工法で、特殊な機械や材料と、新しい技術を必要とするため、神戸市内でも11社しか出来ない工事です。

入札を地元企業優先で行っている他都市でも、ライニング工事だけは市外の業者に門戸を広げ、充分な数の企業で健全な競争入札を行うようにしているようです。その結果、ライニング工事の落札価格は、役所の計算した予定価格より3割安く済んでいます。

ところが今年度の神戸市ライニング工事の落札価格は、23件すべてが予定価格の95%を上回り、健全な競争どころか談合が疑われる高値が続いています。市内業者優先の結果、工事費が異常な高値になるのであれば、市外業者も含めて競争させるべきです。

●保育所民営化は仕切り直しが必要●

4月から民営化する保育所で、いまだに保護者の抵抗により引継ぎ保育ができていない所があります。私は保育所民営化を、子どもに借金を残さないために必要な政策として強く支持してきましたが、民営化の進め方については準備不足で強引すぎた面を反省し、延期案に賛成票を投じました。

「総論賛成・各論反対」という言葉がありますが、今回の保育所民営化には「総論」が見えません。公立保育所の保護者だけでなく、民間・無認可・自宅育児などすべての子育て世代を巻き込んで、公立保育所と民間保育所の役割分担や、民営化の進め方などについて合意を得る必要があります。(東京都世田谷区では、市民と役所で「民営化ガイドライン」というものを作ろうとしています)

また、市長も「民営化予定園の告知は早ければ早いほど良い」と答弁した通り、民営化の告知が遅れて、充分な議論と引継ぎの時間をとれなかったことが保護者の反発を強めました。神戸市は「5年間で20ヶ所」と発表した民営化予定園の具体名を、早く明らかにすべきです。

●予算質問15連発●

その他、3月の予算委員会では下記のような質問・提案をしました。

  1. コンビニを学生や単身者のための資源回収拠点としてはどうか?
  2. 役所内部だけではなく、オフィスや家庭も含めた市全体のCO2削減計画が必要ではないか?
  3. バリアフリー工事の事前チェックと事後の改善を統一して管理する部署をつくってはどうか?
  4. 認可保育所の順番待ちのために無認可保育所に預けている世帯に、差額を補助できないか?
  5. 公園でフリーマーケットが開催できるように、利用規制を緩和できないか?
  6. 指定管理者や土地売却コンペの選定方法や選定基準について、もっと透明性を高めてはどうか?
  7. 政策の変更・廃止の判断材料として活用できるような環境会計制度を創れないか?


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