いさか新聞 27号 (2003/10) ギリギリの経営努力をしているか?

2010年05月24日

いさか新聞 27号 (2003/10)

ギリギリの経営努力をしているか?

市バスの車内広告は78%が空白
水道サービス公社は誰のため?
高くて不便な「門前薬局」
神戸市人口は 2010 年に 170 万人?

「ギリギリの経営努力をしているか?」娘の朱里がハイハイを始めました

●市バスの車内広告は78%が空白●

9月17日から、市バスや水道など利用料をいただきながら役所が企業的に経営する「公営企業会計」の決算議会が始まりました。私が市バスの「京都方式」(路線と料金の設定は役所が責任を持ち、運営は民間バス会社が行う)を提案した3年前は、公営企業の民営化を議論するのはタブーのようなものでしたが、今年、市長もついに「民間委託も含めて検討する」と答弁しました。

厳しい視線にさらされている公営企業会計ですが、果たしてギリギリの経営努力をしているのでしょうか?

例えば市バスの車内広告は22%、地下鉄も54%しか埋まっていません。交通局は「不況のため企業が広告を出してくれない」と言いますが、私が毎日乗っているJRの車内は全て民間企業の広告で埋まっています。

市役所や外郭団体の広報で広告スペースを埋めてお茶を濁すのではなく、広告料金を見直し、営業をきちんと行なえば、広告料だけで年間2~3億円は収入が増えます。やるべきことをやらずに赤字を垂れ流すのでは、「株主」である納税者は納得できません。

●水道サービス公社は誰のため?●

民間委託の議論が出ると、神戸市水道局は「うちは既に平成3年からやってます」と答えます。しかし、その委託先である水道サービス公社は、民間企業ではなく外郭団体であり、理事長には歴代の水道局長が就任し、水道局幹部OBも受け入れている子会社のようなものです。

水道サービス公社は、神戸市水道局のメーター検針と料金徴収を一手に引き受けています。従業員303人、神戸市から委託料として受け取る年間収入が29億円、メーター検針1件あたり平均169円の委託料を神戸市が払っていることになりますが、私が広く全国の例を調べたところ、他都市の委託料は1件あたり70円~100円が普通で、神戸の水道サービス公社のメーター検針は他都市より1.7~2.4倍も高いことが分かりました。

「なぜ神戸市は割高な水道サービス公社に委託し続けるのか?」「他の民間企業からメーター検針料金の見積もりを取ったことはあるか?」決算委員会で追求したところ、神戸市の委託料が割高なのは認めましたが、民間企業の見積もりを取り、公社以外の委託先を具体的に比較したことはないとの答えでした。これでは神戸市水道局と公社が天下りのために癒着していると言われても仕方ありません。

●高くて不便な「門前薬局」●

いま、医療の世界では「医薬分業」という大きな流れがあります。これまでは病院の中で薬が処方されていましたが、今は病院で処方箋だけ渡されて、薬は薬局で受け取る形が増えています。

「医薬分業」の理想は高く、患者さんが自宅近くに「かかりつけ薬局」を持って、内科で処方された薬も眼科で処方された薬も、すべて同じ薬局で受け取ることで、薬の悪い飲み合わせを予防し、ひとりひとりの薬歴を薬局が管理するということです。

しかし実際はどういうことが起こっているか? 病 院:処方箋を出しておきますから、薬局でお薬を受け取ってくださいね~。患 者:あの~、どこの薬局で受け取ったら良いですか?病 院:近くでしたら、病院を出てすぐ向かいに○○薬局がありますよ。患 者:ありがとうございます。

このように、患者の88.6%が病院の隣にあるいわゆる「門前薬局」で薬を受け取っているのでは?というデータがあります。(大手医薬品メーカーが医師に尋ねたアンケートより)これでは「自宅近くのかかりつけ薬局で薬歴管理」という医薬分業の理想とは程遠く、患者にとっても薬局に足を運ぶ労力と、薬局に払う手数料が約400円余分にかかります。

来年いよいよ医薬分業を始める神戸市民病院に対して委員会で質問したところ、「門前薬局の利用率は2~3割に抑えられる」と答えましたが、果たしてそうなるでしょうか?医薬分業の理想を実現するのも公営病院の重要な役割ですから、引き続き監視したいと思います。

●神戸市人口は2010年に170万人?●

神戸市役所のすべての計画の頂点にあるのが、1995年に制定された「マスタープラン」です。そのマスタープランには「2010年に神戸市人口を170万人にする」という数値目標があります。しかし少子化で人口減少に向かう日本の中で、現在150万人の神戸市の人口だけが増えるとは、マスタープランを制定した市役所ですら思っていないのが現状です。

ところが、ダム事業や開発事業のことを議会で追求していくと、最後には「マスタープランの人口170万人に備えてダムを建設する必要がある」と無駄な事業を続ける言い訳としてマスタープランが引き合いに出されます。

「マスタープランの将来人口だけでも現実的な数値に修正してはどうか?」と市長に提案すると、「現実的に170万人にならなくても、最大170万人になっても大丈夫なように余裕をみておく」と市長は答え、マスタープランに書いてある「2010年の推計人口170万人」と、最大これだけ人口が増えても大丈夫という「都市容量180万人」の区別もついていない様子でした。「たかが数値」ではなく、すべての計画がこれに基づいて作られているのですから問題です。



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