いさか新聞 21号 (2002/10) 神戸の水道料金が値上がりする理由
2010年05月24日
いさか新聞 21号 (2002/10)
「神戸の水道料金が値上がりする理由」急に冷え込んできましたね
●謎の巨大組織「阪神水道企業団」●
皆さんのお宅の蛇口から出てくる水は「六甲のおいしい水」ではなくて淀川の水です。昭和11年に創られた神戸・芦屋・西宮・尼崎が共同運営する「阪神水道企業団(略して阪水)」が、淀川下流(新大阪の近く)の水をポンプで汲み上げて、長いパイプで神戸市まで送っているのです。
この「阪水」は、毎年の予算200億円、資産合計2500億円の巨大な公営企業です。この巨大企業をコントロールするために、4市から集められた阪神水道議会というものがあり、神戸市からも市長・助役・水道局長と12人の市会議員が参加しています。
神戸市は「阪水」に受水費を払って淀川の水を買っているわけですが、この受水費が平成13年度から12%も値上げされたため、神戸市水道事業は赤字に転落しました。さらに「阪水」は、平成16年度にも同様の受水費値上げを計画しています。これだけ値上げが続くと、今度は神戸市水道事業の赤字を解消するために、皆様の水道料金を値上げしなければならない時が、近い将来やってくるかも知れません。
阪神水道議会に参加している神戸市長や12人の市会議員は、もっと厳しく「阪水」の経営をチェックして、受水費値上げを防いでほしいものです。
●大きすぎる神戸市の水需要予測●
下のグラフは、神戸市民が一年で一番多くの水を使った日の給水量と、神戸市の最大給水能力です。2001年の場合、神戸市水道局の給水能力は90万トンありますが、実際には最も大量に水を使った2001年7月24日でも、わずか66万トンしか給水していません。
ところが神戸市の2010年度予測では、水使用量が一日最大90万トンになっています。人口が170万人に増えて、一人あたりの水使用量も一日最大530リットルに増えるというのが予測の根拠だそうですが、現実的には人口はそこまで伸びませんし、一人あたりの水使用量も節水の時代を反映して2000年度は最大435リットルまで減っています。神戸市はタテマエの水需要予測をやめて、現実的な情報を「阪水」に伝えるべきです。
●水需要マネジメントで神戸市も「脱ダム」●
神戸市・芦屋市・西宮市・尼崎市の4市がそれぞれタテマエの水需要予測をしている結果、阪神水道企業団の方も現実離れした水利権(川から水を汲み上げてもよい権利)が必要になり、余野川ダムと丹生(にゅう)ダムが計画されています。
将来の水需要の伸びや(4市で129万tの予測)10年に一度の水不足に対応するためだそうですが、水利権は現在でも充分に余っており、わざわざ琵琶湖の北側の丹生ダムを開発してまで新たな水利権を獲得する必要はありません。
内閣府が平成13年に行った「水に関する世論調査」に興味深いデータが載っていました。
| 世論 | 割合 |
| 役所は水の再利用を促進することに力をいれて欲しい | 44.4% |
| ダム建設をするぐらいなら節水で水不足を乗り切る & 水不足対策は必要ない | 40.9% |
| 水不足対策にダム建設に力を入れてほしい | 34.8% |
●こんな議員だからこそ、減らすべきなんです●
10月9日、私が水道問題や市バス問題で次々と提案をした決算議会の最終日に、自民党・民主党から共産党までそろって、とんでもない議案を本会議に提出してきました。なんと、「神戸市の議員定数を72名のまま現状維持する」という議案です。
日本中のほとんどの議会が、「コスト削減」「街の痛みを分かち合おう」と議員定数を削減しています。その際には「議員定数を検討する委員会」のような場所を設けて、何ヶ月も議論するのが普通です。ところが神戸市議会では、自民党・民主党・公明党・共産党・新社会党のボスだけが集まる「代表者会」という奥の密室で、今回の提案が話し合われました。
私は提案者側の議員に「このご時勢に許されると思っているのか?」と本会議質問しましたが、「震災後の大変な時期だからこそ、市役所をチェックする多くの議員が必要だ」と地下鉄海岸線やフルーツフラワーパーク等のノーチェックぶりを棚に上げた珍答弁でした。結局、定数維持に反対したのは72名のうち私を含めて無所属議員わずか4名だけ。「神戸市議会はここまで街の感覚とズレてしまったのか」と、驚き呆れた一日でした。





