いさか新聞 20号 (2002/08) パブリック・コメントって、なぁに?

2010年05月24日

いさか新聞 20号 (2002/08)

パブリック・コメントって、なぁに?

ゼロから一緒に住民と政策を考える
神戸市のパブリック・コメントの問題点は?
横須賀市のパブリック・コメント条例
神戸空港の需要予測、ついに見直し
チャレンジド(障害者)が就職できるように

「パブリック・コメントって、なぁに?」地球温暖化が実感できる夏でした

●ゼロから一緒に住民と政策を考える●

2年前の議会で私が市長に「パブリック・コメント」という仕組みを提案してから、神戸市でもパブリック・コメントがずいぶん行われるようになりました。

これまでは、専門家の集まる審議会や、役所の内部だけで政策が議論され、それが議会で可決され決定した後で「最終結果」だけが住民に公表されていました。ですから、その「最終結果」に住民が意見を言ったとしても、「すでに住民の代表である議会で決まったことだから」と意見を受け付けてもらえませんでした。

それに対してパブリック・コメントは、政策をつくる前や議論している途中で情報公開をして、住民の意見を幅広く集めて、その後の政策づくりに反映させるという手軽な住民参加の仕組みです。

たとえば市バス政策なら、住民の中にも民間バス会社の方や、毎日市バスを利用する高齢者がいます。保育所政策なら、共働きの夫婦や子育て真っ最中の世代の何気ないアイディアが貴重です。そういった街の専門家や、お客様である当事者を巻き込んで、政策を一緒に議論するのです。

●神戸市のパブリック・コメントの問題点は?●

神戸市が実施しているパブリック・コメントには、2つの欠点があります。一つは、パブリック・コメントを実施するかしないかを、役所が自分で決められることです。悪い言い方をすれば、「住民意見を聞き易い、役所に都合のよい政策」の時だけしか実施されません。住民生活に影響の大きい政策は、必ずパブリック・コメントを義務づけるようなルールが必要です。

もう一つは、情報公開が不十分で、「いつ、どこでパブリックコメントをやっているのか?」が意見を提出したい住民に伝わりきっていないことです。パブリック・コメント制度そのものをもっとPRして、皆様に活用していただける仕組みが必要です。

●横須賀市のパブリック・コメント条例●

8月6日に福祉環境委員会の視察で、神奈川県横須賀市のリサイクル工場に行きました。夕方、先輩議員がホテルに戻った後、もう一件勉強するために独りで横須賀市役所に行き、昨年9月に全国初のパブリック・コメント条例をつくった担当課長とお会いしました。

横須賀の条例では、基本的な政策をつくる時は必ずパブリック・コメントを実施しなければならず、また、パブリック・コメント実施の予告・PRまで条例で義務づけていることが特徴です。「今月はどの政策について意見を募集しているか?」というパブリック・コメント一覧表が、月に二回、各家庭に配られる市の広報紙の3面右上にいつも掲載されているそうです。

「住民意見を取り入れて政策をつくることで、役所側としては自信を持って議会に提案できるし、議員も『住民意見とそれに対する役所の答え』を読んでから、さらにハイレベルな議論をしている。」とおっしゃった横須賀市の担当課長の言葉が印象に残りました。神戸市でもパブリック・コメントを条例化できるように頑張ろうと思います。

●神戸空港の需要予測、ついに見直し●

7月2日の市議会・空港特別委員会で、神戸市が正式に「需要予測見直し」を発表しました。私は3年連続で空港特別委員会に入り、需要予測問題ばかり毎回しつこく追及してきました。熱心な市民グループの指摘に対して神戸市側の議会答弁は二転三転し、数々の珍答弁をばらまいた末に、国からの指導もあって、需要予測の見直しとなったわけです。

また、「国際便は関西空港だけに集中させる」と国が方針を出したことを追及すると、神戸市も正式に「神戸空港に国際便が来る予定は無い」と明言しました。空港推進派が「将来は国際空港になる」と言っていたのは根拠のない話だったのでしょうか?

●チャレンジド(障害者)が就職できるように●

3月の議会ではチャレンジドの大切な仕事場である小規模作業所のことを議論しましたが、本当は作業所で福祉的に働くよりも、一般企業で普通の給料をもらって働く方が良いはずです。7月4日の本会議では、チャレンジドの一般企業への就職について質問しました。

  1. チャレンジドを雇ったことがない企業に対して、先進的な企業の例を示してノウハウを提供したり、特例子会社の設立を支援するということは出来ないか?
  2. ジョブコーチやトライアル雇用の制度を一般企業に積極的に利用してもらうことは出来ないか?
  3. 神奈川県のようにチャレンジド雇用に熱心な企業を入札で優遇するといったことは出来ないか?

アメリカにはADAという法律があり、障害があることを理由に従業員を雇わないのは許されません。例えばコンピューターの得意な技術者が「たまたま」車椅子だった場合は、その技術者が車椅子でも仕事の出来る環境を整えることを、会社側に義務付けています。障害者を福祉で保護するだけでなく、才能ある労働力として見るような世の中にしたいと思います。



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