いさか新聞 17号 (2002/03) 開発から福祉への市長公約は・・・?

2010年05月24日

いさか新聞 17号 (2002/03)

“開発から福祉へ”の市長公約は・・・?

福祉予算アップ? きめ細かい政策?
開発予算ダウンは計画どおり???
K-JET とフルーツフラワーパークが破綻
予算委員会で提案9連発!
「局長→助役→市長」の流れは変わらず

「”開発から福祉へ”の市長公約は・・・?」今年は桜が早く咲きそうな陽気ですね

●福祉予算アップ? きめ細かい政策?●

3月は皆様からいただいた税金の使い道を決める、一年で最も大切な予算議会があります。毎年「いさか新聞」では、色々な角度から予算を分析して特集記事を載せていますが、今年は「開発から福祉へ」という矢田新市長の公約が、初予算で実現されたかどうかチェックします。

予算項目新年度予算←前年度予算コメント
福祉予算総額(国民年金費を除く)1842億円 ← 1814億円(28億円、1.5%のアップ)さすが矢田市長!・・・と喜ぶのは早い
児童福祉の予算(児童扶養手当費を除く)322億円 ← 311億円(11億円、3.5%のアップ)病後児保育、保育所3ヵ所、児童館2ヵ所、子育て支援室などが新メニュー。
障害者福祉の予算179億円 ← 171億円(8.4億円、5%のアップ)障害者作業所5ヵ所、障害者地域生活支援センター、知的障害者ガイドヘルプなど。
高齢者福祉の予算154億円 ← 155.5億円(1.6億円、1%のダウン)介護保険施設の入所相談センター、緊急ショートステイ、高齢者施設2ヵ所など
福祉施設の予算84.5億円 ← 117.5億円(33億円、28%のダウン)箱モノ福祉はもう卒業?それとも赤字で施設が建てられない?
公衆衛生の予算52.7億円 ← 50.6億円(2.1億円、4%のアップ)35歳無料健康診断、肝炎ウィルス検査、妊婦健康診断など、予防は大切です。
生活保護の予算587億円 ← 544億円(43億円、8%のアップ)実は、福祉予算が増えた原因はココ

良く言えば「きめ細かな新メニューが並んでいる」が、実態は「お金のかからない政策しかできない」。児童福祉と障害者福祉は一歩前進と評価できますが、福祉予算が増えた最大の理由は生活保護費です。

●開発予算ダウンは計画どおり???●

ポートアイランド2期や六甲アイランド南を埋め立てる港湾事業は666億円(2%ダウン)空港島や複合産業団地を造成する新都市整備事業は1233億円(9%のダウン)になり、矢田市長は「開発予算を減らして福祉にまわした」と言っていますが、本当にそうでしょうか?

開発地名全体計画13年度完成14年度予定土地売却の実績進出企業
ポートアイランド2期390ha382ha(98%)383ha(98%)20ha(5%)28社
複合産業団地270ha45ha(17%)55ha(20%)25ha(9%)28社
西神工業団地275ha275ha(100%)275ha(100%)170ha(60%)132社

実際に、新都市整備事業は収入が1167億円から948億円へ19%もダウンしており、市長が意識的に開発予算を減らしたのではなく、土地が売れないので予算を減らすしかない現状です。

●K-JETとフルーツフラワーパークが破綻●

関西国際空港とポートアイランド2期を結んでいたジェット船「K-JET」が廃止されました。前号でお伝えした地下鉄海岸線と同じく、需要予測が甘すぎたために毎年赤字を出し続け、神戸市が赤字の穴埋めのために合計110億円も融資を続けた末の廃止です。けれども会社は倒産させずに存続させ、借金は将来またK-JETが復活してから返し始めるそうです。

1993年のオープンから赤字続きの北区・フルーツフラワーパークも神戸市に79億円で施設を売却し、そのお金でパーク建設当時の借金を先に返して、借金利子地獄から脱出を図ります。一方で、公債基金(神戸市の将来の借金返済のために積み立てているお金)を取り崩してまでフルーツフラワーパークの施設を買った神戸市が、どうやって79億円の元を取れるか疑問です。

どちらも、これ以上ずるずると赤字を出し続けるよりはマシな判断ですが、第3セクターの経営責任を問わずに、簡単に税金を出して救済してしまうのは問題があると思います。

●予算委員会で提案9連発!●

私は政党に所属していませんので、予算委員会では毎日すべての部局に質問するチャンスがあります。今回の予算委員会で提案したものの中から、いくつか選んでご報告します。

  • 環境局に対して・・・
    • 建物を丸ごと省エネ改造して、その後で浮いた水道光熱費から報酬を受け取る「ESCO事業」を市内の企業に広めるとともに、市役所でもESCO事業の導入をしてはどうか?
    • 石油に代わる燃料となり、プラスチック・紙・医薬品の原料にもなる植物「産業用大麻」について、ヨーロッパでも解禁されていることから、神戸市でも栽培研究を始めてはどうか?
  • 水道局に対して・・・
    • 阪神地域の4市が共同で水源開発をしている「阪神水道企業団」について、これ以上の無駄なダム開発を止めるために、神戸市がコントロールできる仕組みが必要ではないか?
  • 住宅局に対して・・・
    • 若年世帯への敷金補助制度をもっと充実させて、市外から若者を多く呼んで来られないか?
    • 東京都荒川区のように、光ファイバーインターネットの初期工事費に補助金を出してはどうか?
  • 消防局に対して・・・
    • 鈴鹿市のように、各区の消防署で住民票の受け渡しなどの24時間サービスが出来ないか?
    • 市民救命士がもっと活躍できるように、再講習の徹底や、居場所を示すシールなどはどうか?
  • 保健福祉局に対して・・・
    • 神戸市の国民健康保険料は東京の2倍高いが、予防にもっと予算を使って医療費を減らせないか?
    • 障害者の生きがいを提供している小規模作業所について、国の補助金をうまく活用して安定した経営をしてもらうためにも、法人化しやすいような支援策が必要ではないか?


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