いさか新聞 10号 (2000/11) 市バス・下水道の決算委員会
2010年05月24日
いさか新聞 10号 (2000/11)
「市バス・下水道の決算委員会」
●利用料値上げか?税金投入か?●
10月10日に終わった公営企業(バス・水道・病院など、税金でなく主に利用料で収入を得る事業)の決算委員会で、私は市バス事業と下水道事業を担当しました。公営企業にはバス・地下鉄・水道・工業水道・下水道・病院・港湾・新都市整備の8会計がありますが、水道と新都市整備会計を除いた6会は全て赤字で、特にバス事業と病院事業はひどい状態です。
公営企業の議論でいつも出てくるのが「公共性と企業性」という問題で、「儲からなくても住民のためにやる」という公共性を重視すると経営の数字が悪化し、企業としての経営を立て直そうとすると料金値上げや税金投入に頼ってしまいがちです。議会の中で自民党・民主党などの与党は企業性を重視し、利用料だけで経営が成り立つよう求め、共産党・新社会党の野党は公共性を重視し、税金を投入してでもサービス拡大を求める傾向があります。
公営企業の議論でもうひとつ出てくるのが「税金と利用料の負担区分」の問題です。例えば市バスの運賃は200円ですが、その裏では多額の税金がバス事業会計に流れています。つまり、本当はひとり400円ぐらい払わないと市バスの経営が成り立たないところを、そのうち200円は税金で穴埋めしているわけです。
目に見えやすい利用料の値上げは最も住民に反対されることですが、利用料が据え置きになっても、投入される税金や赤字(将来の税金で返済します!)が増えていけば、住民の負担が増えていることに本質的な変わりはありません。ならば公営企業が目指すべき道はただ一つ、民間企業に負けない徹底的なコストダウンです。
●「流す都市型下水」から「溜める環境型下水」へ●
かつて神戸に自然が残っていた頃は、雨は地面にしみ込み湧き水となり、川から海へ流れ、そして水蒸気となり、雲となり、その雲がまた雨を降らすという水の循環がありました。下水道の普及によって、都市生活が快適なものになる一方で、都市型災害といわれる川や下水の氾濫、地下水や湧き水の減少、気温が異常に高くなるヒートアイランド化など、新たな問題も起きてきました。
そこで注目されているのが、管に集めて流すのではなく、その場で貯水・浸透させる雨水管理法です。神戸市では、この方面の雨水管理法が遅れているため質問しましたところ、新興住宅地や公園に雨水調整池を設け、透水性の雨水管や道路舗装も増やしていく、という答弁でした。
下水道事業は、ひたすら管を作って「流れてきた水を処理する」だけの受身の仕事ではなく、浸透・貯水・蒸発など管理に工夫を加えることによって、水資源の有効利用、防災、果ては都市の気候のコントロールまで視野に入れた、夢のある環境型事業に脱皮するチャンスです。
●市バス事業は官設民営の「京都方式」で●
神戸市のバス事業は、232億円の支出に対して乗車料収入は113億円だけ、つまり使ったお金の49%しか実際には稼げていない計算になります。残りは老人パス料金や補助金など一般会計の税金から穴埋めしているわけですが、運輸省の調査では、民間バスが1km走るのにかかる人件費は336円、公営バスは全国平均で632円、ところが神戸市バスの1kmあたりの人件費は、なんと700円を越えています。市バス事業の根本的な問題は人件費にあるのは数字からも明らかですが、交通局長の答弁は「公務員の給料は、やはり一定の水準を保たなければならない。人件費を削減するために、嘱託職員(退職後のOB職員を安く雇うこと)を5%増やす。」というものでした。
京都市バスでは、すでに今春から一部の営業所を民間バス会社に委託しています。ただし、バス路線と価格の設定は京都市が権利を持ったまま、バスの運転・整備・営業所の管理だけを民間に委託する「官設民営」方式になっています。特に職員の解雇は行わずに、定年退職した職員の分だけ民間にスムーズに委託した結果、この営業所は運営コストが3割ちかくカットされたそうで、来年の規制緩和(民間バスが市内で自由に路線設定できる)を前に「京都方式」を提案したところ、「市バスに対する市民の信頼があり、民間バスが走ったら違和感があるのではないか? 70年の歴史を持つ市バス事業を、市民のために守り抜いていきたい。」という局長の答弁でした。
しかし、大切なのは「市バス事業」の維持ではなく、バス路線と価格そのものの維持だと考えます。 走っているのが市バスだろうが民間バスだろうがNPOのバスだろうが住民にとってはどちらでも良く、 安いバス路線がこれまで通り確保されることが肝心なのではないでしょうか?(民間でも採算の合わないような路線に限って、「福祉路線」として税金投入の必要があります。)組織・事業の維持ばかりを考え、そのために安易な値上げや税金投入を行うのは本末転倒です。この問題は、市バス職員組合に気を使ってか、神戸市議会ではタブーのようになっていましたが、組織のしがらみのない自分の利点を生かして、住民の利益を第一に考えて、頑張って参ります。
●新社会党と別れました●
昨年4月の当選以来、私を含めた無党派議員3人と新社会党議員5人で、「住民投票議員団」という会派(議会内グループ)を作って議会活動や街頭署名を行ってきましたが、来年の参議院選挙に候補者を出す新社会党から「新社会という党名をアピールしたい」と申し出があり、11月13日、住民投票議員団3人と新社会党5人に別れることになりました。けれど、これまで新社会党の先輩議員の皆様には、議会内のことなど色々教えていただきましたし、神戸空港や住民投票などの議題については、これからも協力しながら闘ってまいります。
その一方で、「効率の悪いお役所仕事を減らしてコストダウン」という私の考えは、「公務員を増やして雇用対策にする」という新社会党の考えと、何度か会派内でぶつかって来ました。今後は、より厳しく税金の無駄遣いをチェックして、NPOや地域の企業が元気な街を目指します。また、「幹事長」という役職に就き、実質的に会派を切り盛りしていく立場になりましたので、議会運営委員会など、議会の奥の奥まで潜り込んで、情報公開を進めて行きたいと思います。





